廃棄物の種類
<廃棄物>
廃棄物とは、自ら利用できなくなったり、他人に有償で売却できないために不要となった、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他汚物又は不要物であって、固形状又は液状の物(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く)をいいます。
固形状又は液状の物のことを言うので、工場や自動車から排出される排ガス等の気体状の物は廃棄物には該当しません。そして、廃棄物が排出される場所や種類などによって次のように一般廃棄物と産業廃棄物に分類されます。
<一般廃棄物>
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいいます。
主に家庭から排出される生ごみや粗大ごみなど(家庭系一般廃棄物)、オフィスから排出される紙くずなどの可燃物、レストランなどの飲食店から出る生ゴミなど事業活動に伴って排出されるもの(事業系一般廃棄物)が該当します。
一般廃棄物は各市町村が処理責任を負っており、それぞれ廃棄物処理計画に従い収集・運搬・処分を行うこととされています。
<産業廃棄物>
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物を指し、廃棄物処理法により定められたものです。
業種に関係なく産業廃棄物に該当するものと、特定の業種の場合に産業廃棄物に該当するものに区分されています。
燃え殻、ばいじん等の12種類の廃棄物は、製造工程において排出されるものから製品の使用後に廃棄されるものまで、すべてが産業廃棄物となります。一方、紙くず、動物の死体等の廃棄物については、特定の事業活動に伴う場合のみ産業廃棄物に該当します。
例えば、建設業(工作物の新築、解体等)やパルプ製造業、製紙業などから排出された紙くずは産業廃棄物となりますが、食料品製造業や運送業などから排出される紙くずは一般廃棄物となります。
このように事業活動に伴って排出される廃棄物であっても一般廃棄物に該当するものを事業系一般廃棄物と呼んでいます。主な事業系一般廃棄物としては、レストラン・飲食店から排出される残飯類、造園業から排出される剪定枝、枯葉類等があります。
<特別管理産業廃棄物>
特別管理産業廃棄物とは、産業廃棄物のうち爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に悪影響を及ぼす恐れがある性状のものをいいます。
特別管理産業廃棄物として指定されると、他の産業廃棄物よりも厳しい基準で処理されます。
<医療廃棄物>
医療廃棄物とは、医療機関などで医療行為に際して排出される廃棄物のことをいいます。
特に法律的な廃棄物の区分ではありませんが、医療廃棄物は産業廃棄物及び特別管理産業廃棄物として医療機関等が自己で責任を持って処理することが義務付けられています。また、医療機関等の責任者は、医療廃棄物を適正に処理するために特別管理産業廃棄物管理責任者を置き、管理体制を整えなければならないとされています。